甘い旋律で狂わせて
あたしは思わず、その曲を弾くネオの右手を、そっと掴んだ。


「花音?」


急に止められた演奏に、ネオは不思議そうにあたしの顔を覗きこんだ。



聞かずにはいられなかった。



“もしかして”という衝動が抑えられなかった。




「どうして、その曲を?」



おそるおそる尋ねたあたしに、

ネオはフッと微かに笑って言った。

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