甘い旋律で狂わせて
拒もうとする手を、ネオはそれでも離してくれなかった。


顔を上げれば、揺るがない真っ直ぐな瞳が

あたしの目を惑うことなく見つめている。




「や、やだ……もう、ダメ……」



その瞬間




「奪わせて」




ネオの唇からふいに漏れたそのひとことに、

心臓が止まりそうになった。


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