甘い旋律で狂わせて
イケないとわかってる。


罪だと、わかってる。



それなのに……




「奪われた心に、罪はないだろ?」



そう言って、ネオはあたしの手を握った。




「ネオ、あたしはっ……」


「嫌なら全力で僕を拒んでよ、花音」



握られた手が引かれた瞬間に、その広い胸に顔を押し付けられた。



「ほら、拒んでよ」


鼻先が触れるほどの距離で囁かれれば、ネオの吐息を肌に感じた。


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