甘い旋律で狂わせて
そんなずるい言葉で囁かないで。


そんな甘い言葉で誘わないで。



「ネオ……」



吐息がゆっくりと重なって


唇が、奪われた。




触れるだけのキスをして、ネオはそっと唇を離す。


そして、ネオはあたしの目をまっすぐに見つめたまま、言葉を放った。




「拒まないなら、僕は奪うよ。キミのすべて、奪うよ」





拒めるはずなどない。


最初からわかってた。



一目見たときから、この瞳に逆らえないとわかっていた。

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