甘い旋律で狂わせて
何もかもを見透かしたような

鋭く、透明な瞳。


どこか懐かしさを感じる、その眼差し。




「ネオ……もう、ひとりにしないでっ……」


「ああ、ひとりにはさせないよ」



優しく頬を撫でる指先に

あたしの孤独が和らいでいく気がした。




「どこにも行かないでっ……!」


「ああ、行かない。だから、もう苦しまないで」



あたしの心の空洞を、そっと埋めていく言葉達。



「もう、泣かないで」



あたしの心の傷を、そっと撫でていく。



どうして……?



まるであたしの心をすべて知っているような

そんな言葉ばかりをあなたは言って



あたしの心をギュッと締め付ける。

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