甘い旋律で狂わせて
昨日のこと、きっと変に思ってるよね。


悠貴を置いたまま、あたしはネオの手に引かれて逃げてしまった。


きっと、あたしを心配してる。


連絡さえしないあたしを、怒ってるかもしれない。



悠貴を裏切って、傷つけてしまった……。




「花音」


ベッドの端に座っているあたしの頭上から、優しい声が降ってきた。



ネオは切なげな目であたしを見つめ、そっとあたしの体を包み込んだ。



「キミが心から笑える日は、いつくるの?」




ネオの言葉に、あたしは顔を上げた。



悲しそうにあたしの頬を撫でるネオに、胸がなんだかいっぱいになる。



「初めてキミを見たあの日も、そんなふうに思いつめた顔をしていたね」


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