甘い旋律で狂わせて
「キミは出会うたびに、いつもそうやって泣きそうな顔をしてた」
ネオの指先が、そっとあたしの顔の輪郭をなぞっていく。
「いつも、何かを諦めたような顔だった。心をなくしたような、空っぽの表情で。助けを求めているように、思えたんだ」
あたし、そんな顔していたの?
そんなふうに、見えたの?
「だけど、僕のピアノを聴いて、涙を流してくれた。あの美しい涙を、忘れられなかった」
初めて、あなたと出会った日。
船上で、あなたはラ・カンパネラを弾いてくれた。
その音色があまりに懐かしくて
あたしはあの時、永都先生を想って泣いたんだ。
ネオの音色が、先生そのものだったから。
ネオの指先が、そっとあたしの顔の輪郭をなぞっていく。
「いつも、何かを諦めたような顔だった。心をなくしたような、空っぽの表情で。助けを求めているように、思えたんだ」
あたし、そんな顔していたの?
そんなふうに、見えたの?
「だけど、僕のピアノを聴いて、涙を流してくれた。あの美しい涙を、忘れられなかった」
初めて、あなたと出会った日。
船上で、あなたはラ・カンパネラを弾いてくれた。
その音色があまりに懐かしくて
あたしはあの時、永都先生を想って泣いたんだ。
ネオの音色が、先生そのものだったから。