甘い旋律で狂わせて
悠貴を見上げて、「ごめんなさい」とあたしは何度も謝った。



許されない罪を犯した、報いだと思った。


人を傷つけたあたしへの、罰だと思った。



痛い…ただ痛いだけの行為を、あたしは目を瞑って耐え続けた。



頬を濡らす涙が枯れるまで

痛みを受け続けた……。





悠貴はもう、あたしの目を見てさえいなかった。




「俺は、おまえを絶対に離さない」






怒りと憎しみに満ちた声が、二人きりの部屋に響いていた……。




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