甘い旋律で狂わせて
「昨日は悠貴くんと一緒にいたの?最近外泊が多いのね。まぁ、仲良くやってるならいいけど、電話の一本ぐらいしてちょうだいね」


お母さんは苦笑いをしながら、ベッドに腰掛けるあたしの隣に座った。


「うん、ごめんね」


そう言ってニコリと笑顔を作る。



だけど……


お母さんの顔を見たら、胸が痛くなった。


後ろめたさや、悠貴に言われたことが一気にあたしの心を襲う。



だから、思わずお母さんから顔をそむけた。



「花音、何かあった?」



心配げなお母さんの声。



「えっ……何もないよ」


もう一度、笑顔を向けた。


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