甘い旋律で狂わせて

幾度も唇を重ね、ネオとの甘い時間を過ごしていたその時だった。


あたしの携帯が突然震えた。



「花音、鳴ってるよ？」



ネオが手をとめたので、あたしはバッグの中から携帯を取り出した。



――夢のような二人の世界から、現実に一気に引き戻される。



悠貴からのメールだった。



“明後日　午前11時にいつものホテルの料亭で”



短いメールに手が震えて、思わずスルリと携帯が床に滑り落ちた。



「花音、どうしたの？」


ネオはそう言いながら携帯を拾い上げ、あたしに手渡す。