甘い旋律で狂わせて
悠貴?

何、言ってるの?



「しばらく僕の実家で生活をして、専業主婦に慣れたほうがいいと思いまして。そうだよな、花音?」



――言葉を失った。



「生活費も私たちがほとんどを出すつもりですから、若い二人にはこれが一番良いと思いますの。何不自由なく暮らしていけますし、こちらの家に入るにあたって私から教えるべきことも色々とありますしね」



悠貴のお母さんとお父さんは、満面の笑みであたしを見つめる。



同居なんて、そんな話は一言もしたことがなかったじゃない。


それに、仕事のことも理解してくれたと思ってた。



それなのに、悠貴は……



「花音、そうだったの?」


お母さんは心配げにあたしの顔を覗き込んだ。


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