甘い旋律で狂わせて
「迎えにきたよ、花音」


ゆっくりと振り返ったあたしの目に映ったのは


柔らかな表情で上からあたしを見つめる、ネオの笑顔だった。



「ネオ……!」



ネオが、どうしてここへ!?



「おまえはあの時の……」


悠貴の顔が、一瞬にして強張った。



「おまえが人の婚約者を寝取ったんだな?」


「悠貴やめて!」


今にもネオに飛びかかりそうな悠貴を、必死に止めるようにあたしは二人の前に躍り出た。


だけど、そんなあたしさえもかばうように、悠貴の前へ歩み出たのはネオだった。

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