甘い旋律で狂わせて
「珍しいよ、本当に。ネオが純粋に人を好きになって、彼女を作るなんてね。それだけ花音ちゃんにマジに惚れてるってことだろうな」


玲さんの言葉に、どうしてか少し違和感を感じてしまった。


だって、あたしとネオの恋だって、もともとは純粋な恋じゃなかった。


まるで大人の遊びのように、衝動的に始まったものだから。



「でも、まだまだ始まったばかりだよ。ネオのことまだ全然知らないし、玲さんの方がずっとたくさんネオのこと知ってると思う」


あたしがそう言って落ち込んだように頬杖をつくと


「俺に妬かないでよ?」


と玲さんは困ったように笑った。

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