甘い旋律で狂わせて
どこまでも高みを目指して、頂点を目指していた先生。


ネオの価値観もあたしにとっては斬新で心ひかれるものだったけれど…。



それでも、ネオのピアノを世に広げられたらと願ってしまうのは

もしかしたら先生が果たせなかった夢をネオなら叶えられるんじゃないかという自分の勝手な思いが募ったからかもしれない。



「ネオなりの考え方なんだろうね」


玲さんの言葉に、少しだけ頷いた。



「ネオを知るのも、理解するのもまだまだこれからなんだなって思っちゃう」


「たしかにアイツは人から見たら少し理解しにくいところがあるからな」



精いっぱい理解しようと思っているけれど

ネオの心の深い部分に触れるのを、どうしても躊躇ってしまう。


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