甘い旋律で狂わせて
ネオの指が止まり、鋭い目があたしを捉えた。


「どうして?」



――その強い眼差しに、ゾクリと嫌な何かが背を走った。




この胸が刺されそうなほどの鋭い目だった。

責め立てるような声色だった。



不愉快な何かを見つめているような……

そんな瞳の色だった。



今までに、見たことのないネオの表情に

全身の熱が奪われたような感覚に陥る。



――怖い


そう、感じてしまった。

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