甘い旋律で狂わせて
「やだ!待って、行かないで!」



――消えていく。



そう思って、あたしは叫ぶ。




聞きたいことがあった。



先生はあたしのこと、どう思ってた?



最後まで知らないままなんて、つらすぎるよ。




「お願い、まだ行かないで!」



先生を捕まえようと必死に伸ばす手。


だけど届かなくて。



先生が見えなろうとする、その瞬間


あたしの手は、違う誰かによって掴まれた。




……誰?


< 340 / 593 >

この作品をシェア

pagetop