甘い旋律で狂わせて
「花音?どうした?」


ハッと目を覚ましたあたしの目に映ったのは、ネオの顔だった。



見渡せば、いつものネオの寝室。



――ああ、夢を見てたんだ。



永都先生の夢を見るなんて、すごく久しぶりだ。



「目、覚めた?」



あたしの手をギュッと握っていたのは、ネオだった。



「夢を…見てたみたい」



まだ瞼の裏に焼きついているあの姿を振り切るように、あたしはネオの首に手をまわして必死にしがみついた。

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