甘い旋律で狂わせて
「何、怖い夢でも見た?」


ネオはクスクス笑いながら、子供をあやすようにあたしの頭を撫でる。


そして、あたしのおでこに優しくキスをした。



「うん……怖かった。」



そう言ってネオに抱きついた手には、まだ汗が滲んでいた。



あたしはまだ、忘れられてないんだろうか。


もう二度と戻らない人から、抜け出せてないんだろうか。



「子供みたいだな」


そう言って笑いながらあたしの首に唇を這わせたネオに、少し頬が緩んだ。


ネオのぬくもりを感じていたら、心が落ち着く。

< 342 / 593 >

この作品をシェア

pagetop