甘い旋律で狂わせて
美しい顔立ちも

透明で鋭い瞳も

低くて、甘い声も



外見だけじゃない。



ピアノを弾く時の


洗練された身のこなし

目を伏せた魅惑的な表情

細く長い指の動き


そのひとつひとつの仕草と



そして、奏でられる音色まで――……




まるで完全なるコピーのように

不気味なほどに似ていた。

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