甘い旋律で狂わせて
「ごめんね、急に。仕事で疲れてるよね」


「いや、今日は休みだったから」



コーヒーカップを渡しながら平然とそう言ったネオに、あたしは露骨に顔を歪めてしまった。


「休み……だったの?」


ネオの顔を、真っ直ぐに見上げた。



毎日、毎日……
休みなのか、仕事なのかも

あたしは全然知らない。


ネオは少しも教えてくれない。


今日はどこで何の仕事があるの?

休みなら教えてくれたっていいじゃない?


いつもそう思ってた。



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