甘い旋律で狂わせて
薫さんはあたしの想いを悟ったように、そっとあたしの隣に座った。


「ネオは、憎んでいたのよ。永都のことを……。

自分が立つはずだったあの光溢れた場所を、永都に奪われたって、そう思ってたんだと思う」



薫さんの言葉に、ゾクリと背筋に寒気がよだった。



“憎んでいた”



その言葉に



ギュッと握りしめる手が震えていく。





――ネオは、先生のことを憎んでいた。




それは、つまり……


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