甘い旋律で狂わせて
第二楽章 運命
手のひらの中にある青いカードを眺めながら、昨日の夜の出来事を思い出していた。
……なんだか、夢を見てるような感覚だった。
現実味が全くない。
突然現れた“ネオ”という男。
あまりに先生に似すぎていた。
容姿だけじゃない。
ピアノの弾き方まで、そっくり……。
あれは、ただの偶然?
瞼に焼きつく彼の姿が、あたしの頭の中を支配していた。