甘い旋律で狂わせて
第十楽章 崩壊
行く宛てもなく、彷徨い続けた。
日が一番高い所に昇り、やがて落ちていくのを感じながら
ただふらふらと、街を彷徨い歩いていた。
薫さんの口から明かされた真実は、時間がたつにつれてその色を濃くしていく。
ネオはあたしのことを愛していない。
いや、むしろ憎んでいるのかもしれない。
『僕から離れるなんて、許さない』
そう言ったのは
永都先生のものを、自分のものにしたかったから……?