甘い旋律で狂わせて
婚活なんてものが流行ってるようなこのご時世。

最愛の恋人からのプロポーズを、喜ばない女なんているわけない。


もちろん、それはわかってるし。

喜ぶべきなんだと、思うけど……。



「花音(かのん)のウエディングドレス姿、早く見たいなぁ」


「まだ気が早いよ。悠貴(ゆうき)の仕事がちゃんと落ち着いてからなんでしょ?」


「もちろんさ。でも、一生に一度の晴れ姿だろ?花音は楽しみじゃないの?」




一生に、一度……。


あたしは思わず言葉をつまらせた。





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