甘い旋律で狂わせて
何も言えずに

ただひとつ、小さく頷くあたしに



ネオは全てを悟ったように

掠れた笑みを見せた。




幾筋もの涙が伝う頬が、ピクリと動いただけの笑みだった。





――そして


この部屋を出て行ったのは、ネオのほうだった。

< 500 / 593 >

この作品をシェア

pagetop