甘い旋律で狂わせて
ネオの胸にあった、あの傷跡は

先生が“そこ”にいるという証


先生の心臓が、ネオの体で今もなお動いているという証


あの鼓動が、あたしの手を通して伝わってきたあの音が


もし、“生きている”という証ならば



永都先生は、生きている

今もなお、生きている



たとえ触れなくても、

声は聞けなくても、

あの人は生きているのだと、そう思ってもいいの……?


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