甘い旋律で狂わせて
長い前髪から覗く、切れ長で大きな二重の目。

よく通った鼻筋に、顎のラインまで整っている。


髪が揺れるたびに、耳を塞ぐリングのピアスが見えた。


本当に、日本人離れした美しい容姿。


その美形は永都先生と瓜二つだった。



「何、見てるの?」


いつの間にかネオの顔を凝視していたあたしに、ネオは横目でチラリと見ながら言った。



「あっ……!な、何でもないです!」



あたしは恥ずかしくなって、思わず俯いた。



しまった!


見つめすぎた!



頬を赤らめるあたしを見ながら、ネオはそっとあたしのグラスを指さした。

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