甘い旋律で狂わせて
遠くに見える雲を眺めながら、ネオは言葉を続ける。


「ああやって母さんが嬉しそうな顔をしてくれるなら、もうそれでいい。僕は結局僕でしかないんだし、名前なんてどっちでも構わないよ。

またいつか僕の名を呼んでくれる日が来るならさ、それまで気長に付き合っていこうと思ってる」




とても、悲しいはずだと

傷ついているんじゃないかと




そう思っていたのに





ネオはどこか、ふっきれたようだった。

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