秘蜜の恋人。~先生×生徒~

「一応テーピングしておきます。お風呂ではあまり温めないようにしてください。腫れが引いたら、外してもいいですよ。心配なようだったら、病院に行ってください」


…まともなアドバイスだ。


テーピングしてもらって、靴下をはき直し、上靴に足をひっかけて、保健室から出て行こうとドアに手をかけた。


一応…お礼は言っとこうかな。


「…ありがとうございました」

わざと素っ気ない、冷たい声で言う。

ドアの向こうに出て行ったとき、ふと声をかけられた。

「あ、そうだ」

「…なんですか?」

振り返ると、先生は変わらぬ笑顔でこちらを見つめていた。

「責任は、とりますよ?」

「……何のですか?」

よく意味が分からなくて、首を傾げると、


「キスのですよ」


「結構です!!」


扉をバン!と音を立てて閉じて、今度こそ保健室を出て行った。



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