秘蜜の恋人。~先生×生徒~

「も~っ、入学して一ヶ月目で先生に会えるとか、超うらやましすぎっ!」

「あの先生、昼休みとかに探してもいないんだよね~」

「もうアイドル的存在?みたいな?」

そのうち、ヒートアップしていって、もうみんなあたしには興味ないというように先生の話をしている。

きゃっきゃっと盛り上がっている中、一つ気になることがあって、女子の一人に話しかけた。

「ねぇ、あの先生、なんて名前?」

「え?えっとね、確か、成瀬先生…だったと思うよ?」

「苗字?下の名前は?」

「…えっと…」

その子はしばらく考え、隣の女子に、

「ねえ、先生の下の名前って、なんだっけ?」

「…え?」

「えーと」

「入学式でも言ってなかったと思う」

結局、成瀬先生の下の名前を知っている生徒は誰一人いなかった。




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