だって、こんなにも君が好きだから。





部活も終わりすっかり薄暗くなった帰路を、私は一人で歩いていた。



いつもより不調だったため、死に物狂いで弓を引いていたら、いつの間にかこんな時間になってしまっていたのだ。





もっとさ、柔軟になろうよ。友達出来ないよ?




平良木くんと喋っている時の紫乃さま、すごく生き生きとしてらっしゃいますよ。






そんな二人の言葉がいつまでもぐるぐるしていた。









下らん。




私が、生き生きとしている?




どこからどう見て、そう見えるのか理解出来ん。





あんな、ピアスだらけで頭の悪そうな、常時ニヤついている変態の不良など。




そうだ、あいつが変態だから私は引っ掻き回されるのだ。




普通のやつに、あそこまで乱されたりしない。





きっと、明日になればまたやって来るだろう。





そしたら今度は、矢を当ててやる。




でもいつもアイツがいる位置に的置きでも置いておかねば傷だらけになってしまうな、壁が。




そんな計画をたてて、アイツが慌てる姿を想像して思わず笑みが漏れたそんな時。







「…あっれー?君、可愛いねぇ。」





不意に、私の目の前に二人の男が立っていたことに気付いた。



私としたことが、気付かないなんて。




「…すまないが、急いでいる。通してくれ。」




「うわ、口調堅っ。それってさ、素?なんかかっけー。」




ヘラヘラと一人が言い、もう一人もヘラヘラと笑った。





…なんだ、こいつらは。





平良木 龍に、風貌や格好は似ている。




だが何かが違う。





なんだ、この嫌な感じは。








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