みだりな逢瀬-お仕事の刹那-
その言葉の示すものが何か考えたくなくて、薄墨色の眼差しを遮るように目を瞑ってしまう。
苛立ってもこの愛撫を受け入れる身体がもどかしく。脳内ではダメと分かっているのに、彼を悦ばす嬌声を上げる自分にひどく腹が立つ。
「――ひゃ…っ、」
とても我慢ならない性急な動きに目を開ければ、ひどく熱いナカをイジりながら優雅な笑みを見せる男。
すると一転して、色香を残したシリアスな表情へ変化した。そのギャップに引きつけられたことが情けないほどに。
「今、何考えてたの?」
「なっ、に、するっ…」
くちゅり、と何度となくベッドルームで鳴る淫靡な水音は、彼の声色まで妖しいものに響かせる。
「へえ、他の男のこと考える余裕があるとはね――
それってマナー違反だと思わない、ねえ間宮さん?」
「――いッ、…あっ、あ、んー…ッ」
「ココは素直だね。締まって離さない」
「はぁっ、しゃ…、しゃちょ、う、…んっ」
執拗にポイントを擦りながら尋ねて来る男こそ、ひどくデリカシーがないでしょうよ?
先ほどの余韻ととも駆り立てられた熱は、線香花火がパチパチと弾けるような感覚に苛まれたあとで脱力感が襲う。
「…あっ!は、あ、…ンッ、」
清浄な空気を求めた刹那。指先とは比較にならない、質量あるものが体内にグッと捩じ込まれた。