LOVELY☆ドロップ

――ああ、どうしよう。

端月さんは一児の母親だ。

きっとあたしのコレがつわりによるものだと勘づいている!!



端月さんはきっと潤さんとの子供ができたんだと思っているに違いない。

だって、彼女はとても嬉しそうだもの。

――ああ、だけど違うの。

あたしのお腹にいる子供は慶介(ケイスケ)の子だ。

潤さんとは関係ない。


つわりだと肯定してしまえば、あたしはもう祈ちゃんや潤さんの傍にはいられなくなってしまう。


「違うっ!! ちがいます!」

あたしは目いっぱい否定した。


「祈ちゃんが言うとおり、体調がよくないみたいです」

肩をすくませてそう言うあたしに、端月さんは微笑んでくれるけれど、嘘だということはバレているだろう。


きっと端月さんに知られてしまった。

もう……潤さんと祈ちゃんとは一緒にいられない……。


ああ、どうしよう。

なんていうことだろう。

あたし、祈ちゃんや潤さんと離れたくないと思っている。



慶介に捨てられ、子供ができたことよりも潤さんたちとお別れしなきゃいけないということに怯えている自分に気がついた。


だけど、もうダメだ。

あたしのお腹に赤ちゃんがいることが端月さんにバレてしまった。


……近いうち、端月さんはきっとこのことを吉報として潤さんに話すだろう。


もう、お腹が大きくなるまで気づかれないなんて思えない。


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