LOVELY☆ドロップ
そう思うと、あたしの体はずっと冷たくなっていく。
それは今も降りしきる凍てついた雨のせいじゃない。
あたしの、この感情のせいだ。
だって……。
だって、そんなのできない。
慶介にされたように、この子を捨てることなんて、そんなことできるわけがない。
「だめ……そんなの……できない。できないよっ!」
――だったら、あたしはこれからどう生きればいい?
今まで、あたしはどうやって息をしていたんだっけ……。
笑っていたんだっけ……。
それさえもわからないくらい、あたしの胸は悲しみに覆い尽くされ、ぬぐってもぬぐいきれない涙が目から滝のようにこぼれ落ちる。
「……ひ……っく……」
もういやだ。
この世から消えたい。
あたしが生きていたという事実を全部消し去りたい。
死んじゃいたい。
膝を抱え、これまでにない絶望を感じていた時――。
「おねいちゃん? どうしたの? おなか……いたいの?」
突然あたしの頭上から、可愛らしい女の子の声がした。
今まで誰ひとりとしてあたしを見なかった人たち。
その中で、たったひとり、うずくまるあたしを見つけたその子の存在が天使のようにも思えた。
あたしは声をかけてくれた彼女の姿が見たくて、こうしている今でも目から流れ続けている滝のような涙をゴシゴシ拭き取り、顔をあげる。
そこには、声と同じで可愛らしい女の子が立っていた。