LOVELY☆ドロップ
天使のような可愛らしい女の子の登場で一度は和らいだと思った悲しみという感情は、お腹の中にいる赤ちゃんのことを思い出せばまた蘇ってきた。
「……ふっ」
そしてあたしはみっともなく、声をもらして泣いてしまった。
小さな子を前にして大の大人が泣くなんて恥ずかしい。
理性はそう言っているのに、ダメ。
感情が追いついてこない。
涙が止まらない。
この涙は永遠に流れ続けるんじゃないかな……。
そう思うくらい、深い悲しみがあたしの中にあったんだ。
「おねいちゃん、だいじょうぶ? おなかいたい? んと……んと……どうしよう……」
女の子の小さな手があたしの肩に乗る。
子供みたいに、泣きじゃくるあたしの顔を覗き込んで、彼女なりに懸命に言葉をかけてくれている。
優しい女の子の仕草に、あたしの目からはまた新たな涙が流れてくる。
――――ああ、あたしはなんてだらしがないんだろう。
小さい女の子に慰(ナグサ)められているなんて……。
こんなことも対処できないなんて大人失格だ。
とても惨(ミジ)め。
消えてしまいたい……。
「祈(イノリ)!!」
自分を責め続けながら、俯(ウツム)いて泣いているあたしの後方から男の人の声が響いた。
たぶん、この子のお父さんだ。
「パパ!!」
嬉しそうに声を上げた女の子があたしから離れていく。