LOVELY☆ドロップ
最愛の人に捨てられたという絶望と、これからあるべきあたしの行く末を考えた時のどうしようもない恐怖があたしへと押し寄せてくる。
その重みに耐え切れなくなったあたしは両腕を体に巻きつけ、畳の上にうずくまった。
「おねいちゃん? どうしたの?」
そんな中、どこか遠くの方で祈ちゃんの声が聞こえたような気がした。
だけどそれ以上は何も聞こえない。
聞き取ることができない。
どうしよう。
これからあたしはどうすればいいのだろうか。
一度、実家に帰った方がいいのかな?
――ううん、家族の反対を押し切って東京に来たからには家に帰ることなんてできない。
でも、社宅にはもう住めない。
仕事も探さなきゃいけないし……どうすればいい?
ああ、頭がグラグラする。
それに吐き気も襲ってくるし、とてもじゃないけれど生きてなんかいられない。
あたしを絶望の淵へと誘う闇に包まれはじめた時――。
あたしの体があたたかくなった。
突然やってきたあたたかな何かに驚き、息を飲む。
顔を上げれば、強い光を放つ目、すっと通った鼻筋の下にある弧を描く薄い唇をした彼がいた。
「まだ体調は本調子じゃないんだよね。寝室に行こう」
潤さんはそう言ってあたしを横抱きにしてくれた。
あたしは抵抗する気力さえも持てなくて、ただただ力強い腕に甘えてしまう。