LOVELY☆ドロップ
いったいなんだろう?
見下ろせば、そこには祈ちゃんが布団をめくって中に入ってくるのが見えた。
「祈ちゃん?」
自分の意思によって引き結ばれたあたしの唇はやっとひらき、彼女に声をかける。
祈ちゃんは顔いっぱいに笑顔をつくった。
「祈、お前何してるんだ?」
あたしと同じくらい潤さんも驚いていた。
大きな声が降ってくる。
「イノもいっしょにねる」
祈ちゃんは手を止めたものの、それでもまた布団にもぐり、こちらにやって来る。
そうしてあたしの隣から、大きな頭がにょきっと出てきた。
祈ちゃんは今、「えへへ」とはにかむように笑い、あたしの隣にいる。
祈ちゃんはまるで、今のあたしに何が必要なのかを知っているみたいだ。無邪気な笑顔が冷えきったあたしの心をあたためていく……。
胸の奥がじんわりあたたかくなった。
「祈…………」
潤さんはため息をひとつつき、無邪気に笑う祈ちゃんを見つめている。
「祈……お姉さんの邪魔になるだろう?」
首を軽く左右に振り、ダメだと否定した。
――ううん、邪魔になんてならない。
だって彼女がいるだけで、あたしの心はあたたかくなるから。
もう少し、あたたかい体温を感じていたい。
「あ、あの……」
あたしが口をひらくと同時だった。
「イノ、じゃまじゃないもん!! ね、おねいちゃん、そうでしょ?」