LOVELY☆ドロップ
そして、一刻も早く、なんとかして社宅を出て行かなくちゃいけない。
ああ、だけどあたしにはお金も必要だ。
子供を生むためのお金と、そして労力が!!
失業保険のお金だけではけっしてなんとかできる額ではない。
慶介にもらった、あのお金を使ってしまおうか……。
――でも、あのお金は赤ちゃんをおろすお金だ。
使いたくはない。
でも、あれを使わなきゃ、この冷たい世の中をたったひとりでは生きていけない。
…………どうすればいい?
どうしよう。
ぐるぐる、ぐるぐる……。
小さな天使と出会ったその夜、あたしは不安に押しつぶされそうな孤独を味わっていた。