晴天の教訓
「先橋さん、だよね?」
私がそんな事を考えながらカメラに顔をくっつけていると、突如背後から名前を呼ばれた。
振り返ると底には背の高い立派な青年がいた。
「え~と、岬ヶ丘くんだよね?久しぶり。十年ぶりくらいかな?身長凄い高くなったね~昔はたしか変わらなかったよね?元気だった?」
これは私の悪い癖は昔から焦るとやたらと喋ってしまう事だった。
あと何かを誤魔化すときも同じ状態になる。
彼は紳士的に微笑むと
「先橋さんは変わらないね。何だか嬉しいな」
と言われた。
私はハハハと苦し紛れに笑い返した。