短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~
代わりのつもりなのか、夫は時々、ささやかな贈り物を私にくれる。
贈り物といっても、リボンがかけられているようなおしゃれなプレゼントではない。
恐らく、そんな演出すら彼にとっては大それたことなのだろう。
そして、私のために買ったのではないような言い訳を、いちいち考えてくる。
「会社でもらったから」
「安くなってた」
「つきあいで買わされた」
などなど。
そんな言い訳を考えるより、
「君にプレゼント」
と言った方がよっぽど簡単なのだけど。