短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~

誤解しないでほしいが、私は決して彼に似合いの彼女だったわけじゃない。
彼も、私の理想の人だったわけじゃない。

一般女性と比べて拳一つ分以上美人度が高い(飽くまで自己申告だけど)私は、結婚相手にも相応のものを求めようと思っていた。

私よりも、背の高い人。
知的で、スマートで、洗練された人。

それでも私は―――
4年間いつも微笑んでいてくれた、彼の隣。
このぬくもりから離れがたくなって、大学卒業と同時に受けた彼からのプロポーズを、受け入れた。

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