こちらミクモ探偵事務所
「助手だ。それ以上でもそれ以下でもない」
紘哉は念を押すようにもう一度言う。
「そうか……じゃあ最後。
お前何でそんな格好してんだよ?」
疑問に思うのも無理はない。
紘哉は全身真っ黒なのだから。
スーツも黒。
ネクタイも黒。
白いワイシャツがやたらと綺麗に見える。
「喪服じゃん」
「喪服じゃない」
恵一の言葉を即座に返答する。
「これが俺のスタイルだ」
それだけ言い残して紘哉は彼に背を向けて歩き出した。