ラブ&トラップ
「こんなとこにワッフル屋さんができてるー!」


フードコートに入ってきた女性2人組の声で、私は思考を業務に切り替える。


「いらっしゃいませ。よろしかったらこちらのメニュー表ご覧くださいませ。」


私の声掛けに引き寄せられるように、お客さんがレジ前のメニュー表を覗きにくる。


「車の免許とってから駅とか電車とか使わなくなったから、新しいお店出来てたなんて知らなかったね。」


「確かにー。ゆみの車が廃車になって、電車で買い物行こうかって話にならなかったら気づけなかったね。」


そんな雑談を交えながら、私と変わらない年くらいのお客さんは悩みながらもメニューを決めた。


「そちらの受け渡し口からお渡しします。」


お会計を終えたお客さんを誘導すると、店長がもう既に注文の品を作り始めていた。
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