ラブ&トラップ
「なにその中途半端ー。もうそこまで頑張ったならもう一踏ん張り頑張りなよ!ゆみが肉食系女子になれば先輩もノックアウト間違いなし!!」


「肉食系女子とか無理なんだけどーっ!」


女子高生に負けないくらいキャーキャー騒いでる。


えーっと...。


温かいワッフルをカットしてホイップクリームや果物をトッピングして、最後にチョコスプレーをかけるだけのスタンダードな商品の注文だったのに、私の手も思考も止まってて。


先に1つ商品を渡し終えた店長が、私の手から作りかけの商品を奪って素早く完成させ、目の前でまだガールズトークに花を咲かせているお客さんに手渡した。


「ありがとうございました。」


「あ、ありがとうございました!またご利用ください...ませ。」


いつもより少し大きい声の店長の言葉に、職業柄反射的に私も言葉が出て我に返る。


女子高生のガールズトークなら、いつも若いなぁって思いながら聞き流してたのに、今日は逆に耳を澄ませてる自分がいた。
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