ラブ&トラップ
助手席の窓から外を眺めてると、ふと思い立つことがひとつ。


見覚えある道、駅から数分で到着する駐車場、目の前に佇むのは大きなマンション。


「店長。まさか家...とかじゃないですよね?」


車を置いてここから歩いてどこかのお店に行くんだと信じたい。


「だから文句言うなって言っただろーが。」


「え!?じゃぁ本当に店長の家行くんですか?」


前に一度泊まったことはあるけど、今回はいくらなんでもよろしくないような気がする。


だって店長の気持ち知っちゃってるし。


「引っ越すかもしれないとこの下見だとでも思え。」


今日コーヒーショップで言われたこと、結構本気だったの!?


私は冗談だと思って即効否定したのに。


「うちに入るのは嫌か?」


黙り込んでた私に店長が覗き込む。
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