ラブ&トラップ
「今の俺にとっては、身近にいる連中の中でも、特におまえさえこうやって気にかけてくれれば大満足だ。」


「...へ?」


立ち膝の上で頬杖を付いている雅斗の瞳が真っ直ぐ私を見ていた。


その顔が意外と近くて思わず固まる。


「ちがっ、そういうことじゃなくてっ!えっと、あれですか?もしかして私が失礼なこと言ったから怒ってます!?」


どうようしてしどろもどろになってるうちに身体の硬直が溶けて、雅斗の瞳から逃れようと後ろに退ける。


「ちげーよ。今さっきおまえにもらったアドバイスをもとに、ちゃんと率直な意見を述べただけだ。」


そういうところが本当にいじわる!!


何に関しても鋭い雅斗のことだから、もうどんなことを言えば私がこうやって取り乱すかって分かってるくせに、わざとからかうようにそういうこと言うんだから。


そういう大人な部分をずるいと思う。
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