ラブ&トラップ

結局そのままタクシーに乗ることしか出来なかった私。


タクシーが出発してから数分で到着したマンションで店長が先に降りた。


駅前とは言わなくても、店長の家駅から近いじゃんっ!


一緒にタクシーに乗った理由がわかんないし...。


無駄なお金使わずに自分だけ歩いて帰ればよかったのに。


「んじゃまた明日から仕事よろしく。気をつけて帰れよ。」


「あ、はい。お疲れさまでした。」


店長が助手席のドアを閉める音で下げていた頭を上げると、もう店長は背中を向けて目の前のマンションへと入っていった。


「出発して大丈夫ですか?」


ボーッとしていた私にタクシーの運転手さんが声をかけてきて我に返った。


「あ、はい。お願いします。」
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