ラブ＆トラップ

「少し無理してでも金貯めてるの知ってるのに、強引にタクシー乗せといて運賃を自腹させるのは気が引けるだろうが。だからわざわざ俺もタクシー乗って先に金払っといたんだ。」


「ああそうですか。それは気を遣わせてすみませんでした。今後私にそのような気遣いは一切不要ですので。それじゃぁ失礼しますっ！！」


相変わらず大きな鈴の付いた倉庫の鍵を机に置くと、勢いよすぎてうるさいくらい鈴の音が響いた。


倉庫のドアを開けるとそこには瀬名さんが立っていてお互い驚く。


「お、おはようございます。」


「おはようございます。鈴神さん休憩中ですか？」


「もうお店戻ります。ここの鍵は店長が持ってますから。」


瀬名さんのやんわり笑顔でちょっとだけ平常心を取り戻せた気がする。


「ふぅーっ」


深呼吸してイライラを落ち着かせると、お店に戻る。