911の恋迷路
(かなり似ているけど)
(やっぱり違うわ…)
驚きと残念な、でも安心したような気持ち。
分かってしまえば納得だ。果歩は挨拶をするために笑みを作った。
「花井果歩(はないかほ)です」
落ち着いてお辞儀なんかも出来てしまう。
(あたし、ほっとしてる)
チクッと心に刺すような痛み。罪悪感。
陵が生きていたら、どんなふうに会えばいいんだろう。内心は不安で揺れていた。
(でも、この人はだれ?)
挨拶をしてしまうと、新たな疑問がわいてくる。