心霊戦隊ハラウンジャー

四人の自己紹介が終わり、次はお前だと言った感じに、皆一斉に権之助の方を見た。
しかし、彼の視線はテレビに釘付け。
夕方のこの時間は、二時間ドラマの再放送をしており、丁度、主人公が犯人を崖まで追い詰めるという白熱したシーンであった。
犯人の温泉旅館の若女将が泣き崩れた瞬間、テレビが消された。

「水沢さん、自己紹介」

敏江だ。
彼女は煎餅を頬張りながら言う。

「おい!今俺の推理が当たって良い気分になってたのに何しやがる!」

「ちょっとぉ!今良いところだったじゃない!何で消したのぉ!」

「あの若女将、確か昔グラビアしてた気がする」

テレビを消したことに対し、権之助と広姿とクリフォードから猛烈なブーイングを浴びる敏江。
迅は「今のは敏江さんが正しいよ」とフォローしようとしたが、それよりも早く敏江が口を開いた。

「水沢さんの自己紹介が終わったらテレビ点けるよ。私も見たいから早くして」

「……水沢 権之助(みずさわ ごんのすけ)」

「そんだけ!?権ちゃんはね、陰陽寮から派遣されたエリート陰陽師なのよ」

「へぇ……」

水沢 権之助。
オハライブルー。
陰陽寮から派遣されたエリート陰陽師。
所謂、イケメンと呼ばれるに相応しい容姿。
しかし、中二病と高二病の中間という、厄介な病を患っている。
広姿曰く、残念なイケメン。





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